プロテーゼを入れたバストは冷たくなる?
私たち人間に体温があり、体じゅうに張り巡らされた血管に温かな血液が流れていることで、肌に「ぬくもり」を感じられる効果があります。血流が止まってしまったら、その部分は急速に体温が失われ、冷たくなっていきます。プロテーゼには血管がありませんから、当然バストは冷たく感じられます。
実際にはちょっと想像しにくいことかもしれませんが、冷え性体質の方ならば、容易にイメージできるでしょう。冷え性の方は血流が滞りがちなため、手足が充分に温まりません。触ってみると明らかに「冷たい」と感じるでしょう。それと同様の状態になってしまうのです。
触れたときにはっきり判る「冷たいバスト」
もちろん、冷たくなるといっても、氷のような温度になるわけではないので夏場は特に問題はありませんが、秋から冬になり、外気温が下がってくると、だんだんバストの冷たさが表れてきます。健康な方でも真冬ともなれば、つま先や手の指先がしびれるように冷たく冷えるものですが、バストがそうした状態になってしまうのです。ご自身でも冷たさを感じるでしょうし、触ってみればすぐに判ります。豊胸を受けたことをパートナーに隠しているようなケースでは、非常に大きな心理的な負担になってしまいます。バストアップの手術を受ける女性にとって、バストが冷たくなるというのは、大きな悩みの一つでしょう。
冷たいバストはなぜできてしまうのか
こうした現象は程度の差こそあれ、避けることはできません。特に起こりやすいのは、体つきに対してプロテーゼが大きいケースです。胸のふくらみの多くの部分をプロテーゼが占めているような場合には、冷たいバストができるリスクは非常に高いと考えて良いでしょう。
乳腺が少ない方はバストの血流がもともと少なめだと考えられますし、また冷え性の方は体質的に血流が滞りがちですから、なおさらこの傾向は強まります。
大きい効果を得ようと、大幅にバストアップを試みても、後から悩みの種が増えてしまうだけです。バストは構造的にも血管が多く、柔らかく温かな部位です。またイメージの世界でも、女性のバストは安心して眠れるベッドのように、優しく暖かなものでしょう。それが硬くなったり冷たくなったりしていては、バスト本来の持つ美しさまで損なうことにもなりかねません。
バストの体温を保つ方法は?
このトラブルは、実際のところ避ける方法がありません。そのためパートナーとのセックスの前にシャワーやお風呂で体を温めたり、トイレに駆け込んでマッサージを行い、体温を高めておくなどの方法を、皆さん実践しているようです。それは非常に煩わしく、手間のかかるものですし、何より心理的に大きなストレスとなるでしょう。そのためプロテーゼ法での手術ののち、ほどなくうつ状態に陥ってしまう女性も多いと聞きます。
美容整形はコンプレックスを解消し、女性としての自信を高めるために行うものです。たとえキレイなバストを手に入れたとしても、心の健康を害してしまうようでは、本末転倒でしょう。
プロテーゼ法は大幅なバストアップができるため、多くの女性たちから支持されています。ですがバストは大きさだけで語れるものではありません。その人に似合った大きさがありますし、サイズ以上に形…バストラインも大切です。さらには自然のままの柔らかな感触、ふんわりとした温かさがあってこそ、理想のバストといえるでしょう。
豊胸術を考えるならば手術を受ける前にまず専門医と充分に話し合い、こうしたトラブルが発生するリスクについてきちんと知ることは不可欠です。そのうえで自分にとって何がベストの選択なのかを、しっかり選んでいただきたいと思います。
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