豊胸術を受けて失敗やトラブルに苦しんでいる方、【失敗しない豊胸手術】を"コンデンスリッチ豊胸"と"ベイザー脂肪吸引"を行う北村クリニック院長が豊富な経験と知識からアドバイスします。

手術後のバストの変形。これはほとんどがプロテーゼ法で起こるトラブルです。ヒアルロン酸注入では、大量に注入したヒアルロン酸が変質硬化し、大きなしこりとなってバストを変形させるケースがあります。また脂肪注入法の場合、一ヶ所に大量の注入を行わない限りこうしたことはほぼ起こりませんし、それによってバストが変形するのも非常にまれなケースです。
プロテーゼ法で起こるバストの変形には、さまざまな原因があります。ですが最も多いものが「カプセル拘縮」による変形です。
胸に埋め込んだプロテーゼが長い時間をかけて膜で覆われ、やがてそれが締めつけられて硬くなってしまう現象がカプセル拘縮で、これは10人に1人程度の割合で起こるとされています。もちろん手術の状況や使用するプロテーゼ、さらに患者様ご自身の体質により「できやすい・できにくい」という差はあります。ですがこうした働きは正常な生理作用ですので、それを止めることはできませんし、拘縮を完全に防ぐ方法も今のところありません。
ところが一度カプセル拘縮が起こってしまうと、さまざまな見た目の変化がバストに表れます。前項でお話しした「バストの谷間が広がってしまう」ということもそうですし、乳頭の位置がおかしくなったり、左右の形がアンバランスになったりします。また、拘縮が起こったプロテーゼは本来の形を失ってしまいますから、バストの形そのものがおかしくなってしまうこともあります。

カプセル拘縮以外にも、バストの変形が起こる原因はいくつかあります。まずひとつは、リップリングといわれる症状です。
これは挿入したプロテーゼのふちの部分が折れ曲がってしまったり、皮下の組織に過剰にあたってしまうためにバスト表面に変形となって表れる現象です。触れてみるとはっきりとプロテーゼのふちの感触が判りますし、見た目にも不自然な出っ張りが表れ、明らかに「皮下に何かが入っている」という感じになります。

バストの変形については、ここに挙げた以外にもいくつかのタイプがあります。ひとつには、プロテーゼの位置のズレによる変形です。
「リップリング」の項目で少しお話ししましたが、プロテーゼ法ではバストの内部にプロテーゼの「居場所」を作る必要があります。近年多く行われている「大胸筋下法」ではワキの下から大胸筋を剥がすようにしてトンネルを作り、バストの底部にプロテーゼが治まるだけのスペースを作ります。このスペースはプロテーゼの大きさと形に合わせて整えるのですが、もしもスペースが小さすぎるとプロテーゼがしっくりと収まらず、ふちが折れ曲がったりよじれたりしてしまいます。これがリップリングの原因になるのですが、逆にスペースが大きすぎるとプロテーゼがしっかり固定されず、位置がずれてしまうことがあります。ことに左右非対称の形状をした「アシンメトリータイプ」のプロテーゼの場合、位置のズレやプロテーゼの回転は、すぐに見た目の異状となって表れます。このような場合にも、再手術しか方法はありません。
また「変形しない」という異状が起こることもあります。女性のバストは仰向けに横たわると自然にワキへと流れ、平たく変形するものですが、カプセル拘縮を起こしたバストでは、こうした自然な変形が起こりません。横になっても形はそのままという、何とも不自然な状態になってしまうのです。