医療の現場でヒアルロン酸は広く使用されているおり、安全なものです。
しかしバストに用いられているものは通常よりもはるかに粒が巨大です。こうすることで形をつくり、体への吸収を抑えているわけですが、そこに問題があります。ヒアルロン酸が少量づつ分散して注入された場合には、時間とともに組織に吸収されていくのですが、大量に注入され一ヶ所に固まっている場合、それは人体から「異物」として認識されてしまいます。すると自己防衛反応が働き、ヒアルロン酸の周囲が皮膜(カプセル)で被われてしまうのです。これはプロテーゼ法で起こるカプセル拘縮と同じ現象であり、「シコリ」の正体なのです。
こうしたトラブルを解決するには、とにもかくにもバストのヒアルロン酸を取り除くことが第一です。
「超音波エコー」と「ベイザー」でしこりの原因を除去
ヒアルロン酸のしこりに対して、当院では「超音波ベイザー」を用いた治療を行っています。
まずバストの触診次に「超音波エコー」を用いて、しこりの正確な位置と大きさを見きわめます。次にバストの目立たない部分…乳房の下側あたりに、ごく小さな穴を明けます。これは直径数ミリという小さなものですし、術後は縫合をしなくても自然にふさがってしまいますから、手術跡が目立つ心配はありません。
その穴から「ベイザー波」を発生させる極細の金属棒(プローブ)を差し込み、しこりの位置まで届かせます。
そしてベイザー波を照射してしこりを包んでいるカプセルを破り、さらに硬く変質したヒアルロン酸を軟化させて、吸引除去してしまいます。ヒアルロン酸やカプセルの細かい破片があれば丹念に取り除き、炎症などが見られれば必要に応じた処置を行って終了です。
超音波エコーは胎児の検診にも使われるほど安全性の高いものですし、ベイザー波は「特定の組織だけを選択的に破壊できる」という特性を持ちますから、肉体的な負荷が軽く、より確実な治療が行えます。
 複数のしこりを取り除くときにはこの作業を繰り返しますが、手術中は「4段階麻酔システム」を使いますので、痛みの心配はいりません。
すでにお気づきかと思いますが、この治療法は当院で行っている「ベイザー脂肪吸引」の手法を応用したもの。ベイザー波の特性を活かした、最新技術です。
バストの形が崩れてしまったら「コンデンスリッチ」で美しく修正
ヒアルロン酸除去の手術では、取り除くヒアルロン酸の塊は直径数センチといったところです。そのためプロテーゼ抜去のように「バスト全体がしぼんでしまう」ということはほとんどありません。そのかわり、バストが部分的にへこんでしまうなど、形が崩れてしまうことが多く、それが新たな悩みにつながってしまいます。
そんなときには、へこみを補うように脂肪注入を行い、バスト全体の形を整え、より美しいラインに仕上げることが可能です。「ベイザー脂肪吸引」で体の気になる部分から脂肪を採取し、それを「コンデンスリッチ豊胸」でバストに注入することで、全身のラインを整えることもできます。これら二つの最新技術については別のページでご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
→修正手術の効果を高める最新技術
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