豊胸術につきまとうさまざまなデメリット
プロテーゼ法やヒアルロン酸注入といった「異物を使用する手術」では、その安全性が大きな問題になります。またそこから波及するいくつものデメリットが、どうしてもついて回ります。そのひとつひとつを、見ていくことにしましょう。
経年劣化によるトラブル
プロテーゼには寿命がありますから、いつまでも入れたままでOK、というものではなく、再手術の可能性が高いのです。これは肉体的にはもちろん、精神的にも大きな負担です。再手術を嫌ってプロテーゼの耐用年数を超えて使用し続けると、破損して中身が漏れ出す危険も高まります。
長期の使用によるトラブル
カプセル拘縮や石灰化などは、使用年数が長くなるほど発生率が高まります。また長期にわたる使用によって周辺の組織を圧迫し、変形させてしまうこともあります。たとえば十数年間使用したプロテーゼを抜去すると「バストがしぼんでしまう」どころか、プロテーゼを挿入した部分の組織がえぐれるように変形しているケースがあります。こうなると再びプロテーゼを入れるか、脂肪注入法でへこみを補うかしなくてはなりません。
プロテーゼの種類によるトラブル
カプセル拘縮や変形など、術後のトラブルの発生率は使用するプロテーゼによって差があります。たとえば表面に細かな凹凸のついた「テクスチャードタイプ」のプロテーゼでは、この凹凸に沿って皮膜ができるため、カプセル拘縮が起こりにくいとされています。ですが「決して起こらない」というわけではありません。
また、現在使用されているプロテーゼにはいくつかの種類がありますが、これらのプロテーゼそのものの安全性は将来にわたって保証されているわけではありません。今は「安全だ」とされていても、将来的に「問題がある」とされるケースは考えられます。そうしたことは、これまでも現実に起こっているのです。
ヒアルロン酸注入に関するトラブル
ヒアルロン酸注入にはさまざまな問題点が見られます。
まず目に見えるバストアップ効果を得るには、片側で100ccほどの注入を行う必要があります。ですがそれだけの注入を行うと、注入後に変質硬化し、しこりになってしまうというトラブルが起こりやすくなります。また左右に同量を注入したとしても両側で200cc。これでは費用がかなり割高です。それでいて、他の手法のような持続性は期待できず、1〜2年ほどで体内に吸収されてしまうことさえあります。
異物を使うことによる安全性への不安に加え、持続性や費用の点でも問題が多く、おすすめできる手法ではありません。
手術を急がず、じっくりと考えて
体内に異物を埋め込む、あるいは注入する外科手術では、使用する物質の安全性は常に最重要の問題となります。ましてバストはデリケートなものですし、使用するプロテーゼにしても非常に大きなものです。一度手術を行ったら、そう簡単に取り替えられるものではありません。靴や洋服のように、「体に合わないから取り替えよう」というわけにはいかないのです。
ここ数年の間に、進化した美容整形の知識が普及し、美容整形が一般に受け入れられてきました。それとともに女性たちの心の中から、整形することに対する抵抗感が少なくなってきたことは確かです。それは決して悪いことではないと私は思っています。
ですが豊胸術は外科手術であり、れっきとした医療行為です。そこにはメリットだけではなく、デメリットやリスクも存在します。それを軽視してしまっては、あとになって後悔することにもなりかねませんし、そうなってからでは取り返しがつきません。自分に必要なものは何なのか、じっくり考え、答えを導いていただきたいと思います。
異物を使わない脂肪注入法のメリット
多くのメリットを持つ脂肪注入法
異物を使用しない脂肪注入法は、逆に数多くのメリットを持っています。その多くはプロテーゼ法のデメリットと「裏返し」の関係にあるのですが、そのひとつひとつをご紹介していくことにしましょう。
異物反応の恐れがなく、安心感が高い
患者様ご自身の脂肪を使うこの手法では、拒否反応やアレルギーの心配がありません。自分の組織を別の場所に移植する手法は「自家組織移植法」と呼ばれ、外科治療の分野では広く応用されている安全性の高い方法です。
また患者様の安心感が高く、プロテーゼ法に見られるようなさまざまな精神的不安要素とは無縁です。
プロテーゼ法に見られるトラブルの心配がない
プロテーゼ法で発生するさまざまなトラブルは、ひとえにプロテーゼという異物をバストに埋め込むことで起こるものです。脂肪注入法では異物を使わず、バストの適した場所へていねいに脂肪を注入していきます。そのためカプセル拘縮やリップリング、変形などのトラブルとは無縁です。
肉体的負荷が軽く、ダウンタイムが短い
脂肪の注入は特殊な注入針と注射器で行いますので、体へのダメージが非常に軽く済みます。この点、ワキや乳房を切開するプロテーゼ法とは対照的といえます。当然ながら術後の痛みも軽く済み、速やかに日常生活に戻ることができます。
またバストはもともと脂肪と乳腺で構成されているため、そこへ脂肪を加えても周囲の組織にダメージを与えることが少なく、体に優しい豊胸術であるといえます。
サイズだけでなく、形も同時に整えられる
脂肪を注入する場所を選択することで、サイズだけでなく形を整えることができるのも、この方法の優れたポイントです。見た目のボリュームが欲しければバストの外側や下側に重点を置き、谷間を演出したいならバストの内側にしっかり注入します。これはプロテーゼ法には真似のできないところです。
豊胸と部分痩せが同時にできる
バストに注入する脂肪は患者様の「気になる部分」から吸引採取します。つまりバストアップとともに、脂肪吸引による「部分痩せ」もできる、というわけです。ウエスト、お腹、太もも、ヒップ…。どこの脂肪でも大丈夫です。ヒップや太ももから広く吸引して下半身をスッキリとさせ、同時にバストアップを行ってメリハリのあるボディを作る…そんなボディメイクが一度の手術で可能です。
見た目も感触も自然のままに仕上げられる
注入した脂肪が生着してしまえば、もともとのバストと何ら変わりありません。見た目はもちろん、触れたときの感触、横たわったときの動きなど、本来のバスト同様ですので、違和感を感じることもありません。
出産時にバストが大きくなったり、老化して衰えていく場合にも、自然のままの変化が訪れます。「バストだけがいつまでも大きく張ったまま」ということもありません。
豊胸したことを意識せず、自然のままにふるまえる。それはあなた自身にとって、最も大きなメリットといえるのではないでしょうか。
このほか、「将来の授乳に影響がない」「X線写真に写らない」など、脂肪注入法は多くのメリットを備えています。
脂肪注入法にもデメリットがある
脂肪注入法のデメリットとは?
優れた豊胸術である脂肪注入法ですが、デメリットがないわけではありません。これもまたプロテーゼ法のメリットと背中合わせの関係にありますが、そのひとつひとつを紹介しながら、ご説明していくことにしましょう。
極端なサイズアップができない
脂肪注入法では、一度の手術で注入できる脂肪の量がある程度決まっています。あまりに大量の脂肪を注入すると生着率が落ちたり、石灰化を起こしやすくなるためです。そのため「脂肪注入では派手に大きくできない」と、劇的な変化を望む女性たちからは敬遠されがちでした。
ですが、そもそも「劇的な変化」そのものが、美容整形としては好ましいものではありません。一時的な満足は得られるものの、その不自然さに後悔することになりかねないのです。そうした意味では、脂肪注入法は自然なレベルでのバストアップが十分に可能な手法だといえます。
なお、脂肪注入法でも一定の期間をおいて再度の注入を行うことで、より大きな豊胸効果を得ることができます。
術後にバストが小さくなることがある
過去の脂肪注入法では、生着率の低さのために、こうしたトラブルがよく聞かれたものです。執刀医の技術レベルや手術の手法によっては、今もこうした結果は起こり得ますので要注意です。それだけに、脂肪注入法では高い技術と経験を持つ美容外科医に任せたいところです。
なお、近年では生着率を飛躍的にアップさせた「コンデンスリッチ豊胸(CRF)」が登場し、注目を集めています。この方法で優れた医師が執刀すれば、素晴らしい効果が期待できるでしょう。
費用が高額になりやすい
美容整形は自由診療ですので、費用はクリニックごとに違います。ですがプロテーゼ法と比較すると、脂肪注入法は概して高価です。これは脂肪の吸引と注入という、ふたつの手術を一度に行うわけですから、仕方のないところでしょう。
ですがプロテーゼ法の場合には、マッサージなどの術後のケア、定期検診に加え、十数年後には再手術によってプロテーゼの交換なり抜去なりを行う可能性が高いのです。それを考えると、バストアップと部分痩せが同時にできる脂肪注入法の方が、かえって割安にも思えるのですが、いかがでしょうか。
優秀な医師の数が限られている
日本ではこれまで、豊胸術といえばプロテーゼ法が主流でした。脂肪注入法を行うクリニックは少数派でしたし、まして専門で行っているクリニックはほとんどありませんでした。そのため吸引から注入までの、優れた技術と経験を持つ医師がなかなか育たない、という問題がありました。
近年ではコンデンスリッチ豊胸の登場で脂肪注入法の優秀さがあらためて認識され、扱う医師も増えつつあります。ですが脂肪注入法豊胸術の難度は高く、そのテクニックは簡単に身につけられるものではありません。優れた医師はまだまだ少なく、患者様にとってはクリニックを選びにくい、というのが現状です。
このように、非常に優れた脂肪注入法にもデメリットといえる面はあります。ですが大切なのは、手術による効果と引き替えに、「どこまでのデメリットを受け入れることができるか」を見きわめることです。
人によって、望んでいる結果は異なります。そしてそれに対して支払える代償も、人によって違うでしょう。いくつかある豊胸術の内容がどのようなものか、そのメリットとデメリットを十分に理解し、そのうえで何が自分にとって必要なのかを、見きわめるようにしてください。
脂肪注入法の変遷
初期の豊胸術は「脂肪移植」だった
バストに脂肪を移植するという発想は、最も初期の豊胸術で採られた手法です。今から100年以上も昔に行われたもので、太ももの脂肪を切り取ってバストに埋め込む、というものでした。当時はヒアルロン酸のようなフィラー(注入剤)などありませんでしたから、使えるものといえば患者様ご自身の脂肪くらいしかなかったのでしょう。
当時の豊胸術は「バストアップ」というよりも、事故や手術によって失われたバストを取り戻す「乳房再建」の意味合いの強いものでした。また技術的な問題もあって、形や大きさよりもまず「胸のふくらみを作る」というレベルのものだったようです。
その後、美容目的での豊胸手術が模索されていく中で、1950年代にフィラーとしてシリコンやパラフィンが登場し、これを用いた豊胸術が行われるようになりました。ところがほどなくしてこれらのフィラーによる健康被害が明らかになると「シリコンプロテーゼ」が開発され、豊胸術に使用されるようになります。これは現在のプロテーゼ法の原型であり、その後は世界的に「豊胸術といえばプロテーゼ法」という時代が長く続きました。
ですが痩身術としての「脂肪切除術」が「脂肪吸引術」に進化を遂げると、吸引採取した脂肪をバストに注入するという「脂肪注入法」が開発されます。
デメリットが多かった初期の脂肪注入法
当時の脂肪注入法の豊胸効果は、あまり芳しいものではありませんでした。脂肪吸引の技術そのものがまだまだ発展途上でしたし、採取した脂肪の生着率は低く、そのほとんどが手術から数年のうちに吸収されてしまう、というようなものだったようです。注入技術もまだまだ未熟だったためか石灰化も起こりやすいなど、現在の手法と比べると、かなり欠点の多いものだったようです。
ですが、過去に社会問題にまで発展していたシリコンやパラフィンのような「異物」を使わず、拒否反応の心配がないことや、痩身と豊胸を同時に行えることで全身の体型を整えることができることなど、非常に大きな可能性を秘めた手法だったのです。それはプロテーゼ法と比較しても、決して見劣りするものではありませんでした。そこに注目した少数の医師や専門家によって、少しずつですが着実に研究開発が進められていったのです。
「CRF」という新たな衣装で登場した脂肪注入法
やがて時代が下り、日本でも美容整形が一般的に普及し始めると、豊胸術を希望する女性たちが増えていきました。相変わらずプロテーゼ法が主流ではありましたが、この頃にはプロテーゼ法の効果を認めながらも、そのデメリットを問題視する医師も現れ、独自の改良や工夫を加えながら脂肪注入法が行われていました。
また美容整形の知識が一般にも知られるようになると、プロテーゼ法に不安を感じ、脂肪注入法を選択したり、また過去に挿入したプロテーゼの抜去を希望する女性も、少しずつですが増えていきました。
そんな中で登場したのが「コンデンスリッチ豊胸(CRF)」です。従来の脂肪注入法の最大の課題であった生着率を飛躍的に高めたこの新技術は、医師からも女性たちからも大きな関心とともに注目されることになりました。そしてその治療効果の高さが明らかになると、脂肪注入法の安全性や仕上がりの自然さが再評価される動きが加速し始めました。
現在、コンデンスリッチ豊胸を扱うクリニックは、少しずつ増えています。新たな衣装で再び舞台の中央に登場した脂肪注入法は、その数多くのメリットとともに、多くの医師と女性たちの支持を集めているのです。
脂肪吸引の重要性
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最新技術であるベイザー脂肪吸引は高度な技術と知識が要求されます。
北村クリニックはベイザーリポ(VASER LIPO)の提供を正式認可されたクリニックです。 |
豊胸術の仕上がりを左右する「脂肪の質」
脂肪注入法では、その前段階である脂肪吸引が大きな意味を持ってきます。脂肪吸引のやり方によって、豊胸術の結果が左右されることは実際にあるのです。たとえば、過去の脂肪注入法で問題となっていた「生着率」。この生着率が低かったということについては、さまざまな理由があるのですが、その大きな原因のひとつに「吸引採取した脂肪の質」ということが挙げられます。では、生着率の低下を招くマイナス要素とは、どのようなものなのでしょうか?
まずひとつは、脂肪そのものの「大きさ」です。従来の脂肪吸引は先端に刃のついたカニューレという吸引管で、脂肪を削りながら吸引除去します。そのため採取した脂肪はナイフで削り取ったバターのように、ある程度の大きさがあります。決して「溶かしバター」のような状態ではありません。
そしてもうひとつ、脂肪吸引では脂肪だけが吸引されるわけではありません。破壊された細胞や血液、術前に使用した麻酔液なども脂肪とともに吸引されます。つまり、注入には適さない不純物が混じった状態なのです。
このような脂肪を注入したところで、良い結果が得られないことは、皆さんにも容易に想像できるでしょう。そのために脂肪注入法は「生着率が低く、効果がない」と言われ続けてきたのです。
脂肪の質を高めれば豊胸効果も上げられる
私は豊胸術に関しては、開院当時から脂肪注入法を専門にしてきました。そのためこのような要素にも早くから気づき、その対策を施してきました。吸引そのものの手法にも工夫を加えましたし、採取した脂肪にいくつかの処理を施すことで良質な脂肪だけを選別することもできました。さらに不純物を洗い流し、脂肪を細胞として注入する方法も開発しました。
これらひとつひとつは小さな改良に過ぎないのですが、積み重なれば大きな結果を生み出すことができます。そうした努力が実を結び、私の行う脂肪注入法豊胸術は一般的な水準を大きく超える生着率を発揮できるようになりました。手前味噌に聞こえるかもしれませんが、これは事実です。
そこへ登場したのがコンデンスリッチ豊胸(CRF)です。これは吸引採取した脂肪から不純物を取り除き、しかも優良な脂肪細胞だけを選別する新技術です。この手法によって、これまで私が行ってきた豊胸術は、大きく前進しました。そしてその前進を、さらなる飛躍へと後押ししてくれたのが、脂肪吸引の新技術である「ベイザー脂肪吸引」だったのです。
「ベイザー」と「コンデンスリッチ」は最強の組み合わせ
ベイザー脂肪吸引が従来の脂肪吸引と決定的に違うのは、脂肪の破壊の方法です。
従来法では刃のついたカニューレで脂肪を削り取っていきます。そのため微細な血管や索状組織など、脂肪の周辺の組織を傷つけることが多く、それらが不純物となって採取した脂肪に混入します。
ですがベイザーは「ベイザー波」という特殊な超音波を脂肪に作用させ、細胞レベルで遊離させた上で、刃のないカニューレで回収採取します。そのため不純物の混入が少ないという利点があります。しかも採取した脂肪はベイザー波によって、すでに細胞レベルにまで分離された状態です。まさに脂肪注入法に使用するには、最適な状態になっているのです。

この脂肪細胞を「コンデンスリッチ豊胸」の手法で処理し、注入すれば、まさに理想的。脂肪注入法豊胸術としては、現時点で最高の手法だと言えます。
コンデンスリッチもベイザーもまだ新しい手法であり、その両方を手がけているクリニックは多くはありません。ですがこの二つを組み合わせ、優れた医師が執刀を行えば、現在考えられる最も素晴らしい結果を得ることができるでしょう。
従来の脂肪吸引では不可能だった90%もの脂肪除去が可能! ベイザー脂肪吸引
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